日本の国際競争力低下の懸念
日本は原材料を輸入して加工し、製品を輸出して成り立っている典型的な加工貿易国家である。日本は世界でも最高水準の品質の製品を多数生産し国際競争力を保持しているが、社外の人間であり、短期就労がほとんどの派遣社員に製品への忠誠心や品質意識を要求するのはほとんど不可能である。
現在は純粋にコスト面から人材派遣制度を利用する例がほとんどであるが、国際競争力保持を視点に入れた人材派遣制度に転換していかないとコスト面よりも主に品質の面から、日本の国際競争力を徐々に低下させる危険性があり、コスト・品質を両立させうる長期的観点からの対策が求められている。自動車総連が非正規雇用者について所属組合に実施したアンケート調査(カッコ内は回答比率、複数回答)では、「技能・技術の伝承で課題がある」(52.6%)、「製品・サービスの質が低下する」(28.3%)といった点へ影響が出ているとの指摘がある[1]。